キリムは産地によって、ダリー・ケリムなどと呼ばれており、遊牧民が自分たちの生活用具として作った織物が原点です。パイルがない、平織り(フラット製法)で作られる事が特徴で、平織りではあるものの手触りや模様の質はパイルがあるカーペットと同等の品質を保ち、色使いが鮮やかで分かりやすいことが特徴です。
キリムは織り方に加え、その横糸に特徴があります。横糸の数が多いため、縦糸が表面に殆ど現れません。また違う色を織り込む際に、横糸が交わらないように折り返すのが特徴で、これにより色の境目では溝ができ、キリムの特徴の一つとなっています。
キリムは元々貧しい人々の使うものとして人気がありませんでした。そんなキリムが脚光を浴び始めたのは、1950~60年代の事です。ヨーロッパの織物の専門家・イスラム美術の研究者達が最初に注目し爆発的に売れ始め、その後、世界各地へと広がったのです。